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お盆という行事が日本の教育にとって危険だと感じた話

 

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お盆は毎年実家に帰省して、お仏壇やお墓参りをする。

そして家族や親戚と顔を合わせて、お互いの近況報告をしたり昔話に花が咲くというのが毎年の恒例行事となっている。

このような風習で生まれ育ったことや(熱心ではないが)仏教徒であることから、こうした行事に違和感や嫌悪感などは全くない。

 

しかしながら、そこに集まる大人たちの言動に違和感を感じてしまう。

 

私はいま35歳。

私より年上の大人と言えば親や叔父叔母たちで、彼らは60~70代という年齢の者がほとんどだ。戦後の高度経済成長をリアルに体験し、貧しさから豊かさを手に入れるまさに右肩上がりの時代を謳歌してきた世代だろう。

 

彼らの多くはお堅い役所関係や地元大手の企業に就職して、そのまま数十年の勤務を終え定年を迎えた人間が多い。故に今では(恐らく)結構な退職金と年金で、悠々自適な生活をしている者が多い。それは彼らの成功体験として、今でもこうしたお盆などの行事の際に語られるのだ。

 

彼らが酒の勢いで、こうした自慰トークを繰り広げることに異論はない。しかし問題はそれを聞かされる私より年下の若者たちだ。

 

年下の親戚の多くは私の子どもにあたる年代で、年頃にすると小学生や中学生といったところだ。その若者たちにとって先の大人たちは祖父祖母にあたるのだが、こうした自慰トークがどのように届いているのかが気になって仕方ない。

 

自慰トークの内容はいつも決まってこうだ。


・公務員や大手企業は一生安泰

・稼いだお金はしっかり貯金をしろ

・長男は家を継ぎ、その他は早く結婚して家を建てろ

・それが幸せだ

 

なるほど…絵に描いたような団塊世代的発想だ。

21世紀も既に10数年過ぎようとしているというのに、未だこのような価値観や教育観念がはびこっていることに恐怖を感じてしまった。

 

 

 

「公務員や大手企業は一生安泰」だと?

彼らはJAL日本航空)が倒産したニュースを見ていなかったのだろうか?大企業が安泰だなんてよく言えたものだ。そして今では北海道夕張市のように、地方自治体ですら財政破綻する時代だ。企業どころか公務員ですら安心できない。

 

私の地元福井県には敦賀市という町があり、「原発銀座」と呼ばれるほどに原子力発電所が多数立地している。

しかし東日本大震災以降、原子力発電所の操業が止まり国からの補助金もまともに下りなくなっている状況。原発以外にこれと言った産業はほとんどなく、原発の操業停止以降は仕事が無くなった人々が数千人単位で流出してしまったという。

当然ながら税収だって減少傾向になっていることだろう。震災の年から敦賀市の公務員平均年収が減っていることからも、市の財政が厳しいということは容易に見当がつく。(これが直接、市の財政破綻に繋がるかは分からないが。)

 


 

「稼いだお金はしっかり貯金をしろ」だと?

いやいや!チョット待ってくれ!!

いまの時代に貯金するメリットなんて全くもってない。

おたく等の時代は『ゆうちょ』に定期預金すれば、年利8%なんて考えられない利息が付いた時代だっただろうが、今は全く違うじゃないか。

確かにお金を無駄遣いするよりは「残しておく」という意味での貯金は重要だ。しかし日銀がインフレ目標を設定し物価上昇を明言している中で単に貯金をしておくなんてことは、お金の価値が目減りしていいくのを放置しておくことに他ならない。

 

 

「長男は家を継ぎ、その他は早く結婚して家を建てろ」だと?

なんもいえねぇ…。

まぁ百歩譲って、土地や家を引き継ぐ長男はいいとしよう。それ以外の連中にも土地付きの家を建てて結婚しろってどういうことだ?

そもそも35年のローン組んで、今の会社がこれから35年間雇用してくれる約束がどこにあるというのだ?雇用どころか会社が35年続くこと自体が奇跡に近いっていう話だ。

 

企業が30年以上続く割合は0.02%…この事実を知っているのか?

 

仮に30歳で35年ローンを組んで家を建てたとしよう。

35年を奇跡的に今の会社でやり過ごしローンを完済したとしても、その頃にはその家はもうボロボロだ。外壁は朽ちて張替えか塗り替えが必要だし、屋根は破損して雨漏りだってしているだろう。場所によっては柱や基礎だって朽ちている可能性もある。

それらの修繕に一体いくらかかると思っているんだ?

年齢はその時点で65歳。よっぽどの技術や知識を持っていなけりゃ、現役時代と同等の給料をもらえる会社に再就職なんて無理だ。

そんな奴にローンなんて組ませてくれるご時世じゃないぞ。

さて、どうやって修繕費を工面する?

 

 

 

先人たちの自慰トークを黙って聞きながら、揚げ足取りのようなことばかりを考えていた。彼らは彼らなりの価値観で今の地位と幸せを築いてきたのだから、それを否定するつもりは一切ない。恐らくあと数年から十数年の余勢を、その価値観で逃げ切れるに違いないだろう。

 

しかし問題は、30代の私も含めたそれ以下の若い世代である。

 

ここ20年のインターネットによる世界の変化は凄まじいものがあった。

物品の購買行動が変わり、メディアに対する価値観が大きく変わった。またSNSの登場により世界中の個人が繋がることで、地球の裏側の人ともお隣さんになった。

 

今後ネットの通信速度は当然のことながら、様々なIT技術や航空機・自動車(パーソナルモビリティ)の技術革新によって、地球のサイズ(物理的サイズではなく移動時間としてサイズ)はもっと縮まっていくだろう。そうなれば世界中の人や物の行き来がもっと自由になり、次の20年はこれまでの20年よりも、更にいろんなことが急速に変化していく時代になるだろう。

 

そんな時代に35年も同じ会社で仕事を続け、35年もボロボロになっていくだけの家に住みながらシコシコとローンを払い続けていく生活が可能だとは到底思えない。

 

勿論、過去の歴史として先人たちの経験を知ることは必要だと思うが、これからの時代に若者たちが学ぶべきは『変化に対応できる生き方』ではないだろうか。

 

 

なんてことをこの本を読みながら思った。